新規ドキュメント設定はここがポイント!

さて、新規ドキュメントの作成なんて普段からいつでもやってることだと思うけれど、
最終的に「印刷を発注するためのデータ」ならではのポイントなんかを紹介するよ!

新規ドキュメントの設定画面

ちょっとしたイラストや、身近なプリンターで出せば済むデータの作成であれば「サイズ」だけ
気にすれば基本的に十分だと思うけれど、印刷会社への入稿用データ、特に冊子印刷のデータでは、
複数のページデータになるし各項目の意味と対象について、きちんと理解して設定しよう!
適当に設定すると (印刷会社の人からなんやかや言われて) 作り直しが必要になったりするよ!


新規ドキュメント設定画面の画像

 

アートボードの数

イラレではCS4以降、1つのファイル内に複数のアートボードを置くことが出来るよ!
例えば、8ページの冊子を作りたい時にアートボードを8個と設定すれば、1つのファイルで
全ページ分のデータを作成・保存するなんて事も出来ちゃうんだよ!
でも、「1つのアートボードには1つのページデータ」は絶対に守らないといけない鉄則だよ!
例えば、全てのページで同じ背景を使うから~といった理由で、レイヤーを切り替える形で
1つのアートボードに複数のページデータを作ったりしてはいけないよ!
また、「大きな1つのアートボードに4ページ分のデータを並べる」なんてのもダメなんだ!


1つのアートボードに複数ページデータを作ったダメな例


逆に、「1アートボードに1ページ」になっていれば、1つのファイルで入稿しても大丈夫だよ!
ただし、複数のアートボードを1つのファイルで作成する場合は、アートボード番号に注意だよ!
例えば、何らかの都合で作業中にページの順番を入れ替えたり、または変えたくなった場合に、
アートボードの「並び順」を変えてもアートボードに振られた番号は変わらないからね!!
※印刷は、アートボードの「番号順」で行われるよ!


アートボードを入れ替えても番号順で印刷される例

 

サイズ

サイズ設定に関しては、希望する仕上がりサイズ(製本サイズ)を選べば良いから難しくないよ!
ただ、デフォルトの選択肢はそれほど多くないし、もしも「文庫判サイズ」や「新書判サイズ」を
考えている場合には、正確な仕上りサイズを手動で入力する必要があるよ!
あとは、単ページで作るのか、見開きでデータを作るのかでも、サイズは変える必要があるけど、
一番の注意点は、無線綴じの表紙データを「見開き」で作成する場合、「背幅」の分も計算に入れて
サイズ設定する必要があるってことかな。ちなみに、背幅は仕様で変わるよ!


背幅の計算方法は、本文ページ数×用紙の厚さ÷2

 

裁ち落とし

仕上がりサイズのフチまで背景の絵柄や線などを入れたい場合(=フチなし印刷)には、
必ず「塗り足しサイズ」でデータを作る必要があるよ!
その「塗り足し」をどれくらいとるかってのを設定するのが「裁ち落とし」で、一般的に、
どの印刷会社でも四方それぞれで 3mmずつあれば良いと思うよ!
ちなみに、裁ち落としを設定しないと、PDF書き出しの際などに塗り足しが反映されないよ!


裁ち落としの表示例

 

カラーモード

RGB と CMYK があるので、印刷物のデータを作成する時は、必ずCMYKに設定しよう!
モニターの色は光の三原色(RGB)だけど、印刷物の色は、塗料の三原色+黒(CMYK)だから、
カラーモードを RGB でデータを作成しちゃうと、実際に印刷した時に、自分の意図していた色と
大きく色味が異なってしまったりするよ!


カラーモードによる色味の変化の例

 

ラスタライズ効果

デフォルト設定だと「スクリーン72」になっていたりするけど、印刷用データを作成するなら
「高解像度 300ppi」にしておこう!
ドロップシャドウやグラデーション、透明効果などを使用していた場合、この設定数値が低いと
出力するときに粗くなり、滑らかな色の変化などが失われてしまう危険があるよ!
また、配置した画像が不必要に高すぎる解像度だったり、無駄にでかい容量だったりする場合も
この設定で最適化されるから、データが無駄に重くなることの防止にもなるよ!


上部メニューの「効果」からもラスタライズ設定が行えます